一匹の大きな黒犬が,交差点の真中に座りこんでいました.
おかげで,道は大渋滞.大勢の人が集まり,なんとかその犬を退かせようとしています.
でもやってみると,これが大変!
引っ張ってもびくともしないし,餌やおもちゃで誘っても知らんぷり.
驚かそうとした人には,逆に唸って脅かす始末.
じゃあということで,人々は思いつく限りのコマンドを叫びました. 「立て」「あっち行け」「Go away!」「お帰り」「Stand up」「そこ退け!」・・・
ところが,犬は自信満々の様子で,まったく動こうとしません.
万策尽きて人々が困り果てたころ,一人の子供が犬に近づき,そして,何ごとか耳打ちしました.
するとどうでしょう,犬はすっくと立ち上がり,スタスタと通りの向こうに消えていってしまいました.
あっけにとられた紳士が子供に尋ねました.「坊や,どんなおまじないを使ったんだい?」その子供は,ちょっと照れたように応えました.
「僕はこれしか知らないんだ... 『おすわり』 って」
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